名鉄の東岡崎駅に着くと、5人くらいのコーラスグループが屋外で演奏していたが、全く興味のない音楽だとすぐに察知して、逃れるようにそそくさと龍海院へと向かった。
1 市原ひかりグループ(龍海院)
市原ひかり(Tp)、宮川純(P)、清水昭好(B)、横山和明(D)
しっかりと数えたわけではないが、80人くらいの入りか。一切曲名の紹介もなく5曲ばかりが淡々と演奏された。メンバー紹介をしただけで、トークは全くなし。以前とは随分違う。まあ、そういうスタイルもよろしかろう。
ひかりちゃんの出で立ちは、いつもと似たり寄ったり。黒の編み上げのショートブーツ。スパッツの生地と皮の生地が交互に縦に縫い合わされたパンツ、白のゆったりとしたインナーにジーンズのジャケット。髪は、側面を刈り上げたロングヘア。トランペットは、角度によってパープルやグリーンに光る、以前よりやや硬質な音がするもの。フリューゲル・ホルンも持ってきていたが、使わなかったような気もする。
ひかりちゃんは、一時、当方の好きなタイプのジャズに近づいたように思ったけれど、やはり、とどのつまりは本来の姿に戻ってしまったようだ。技術・演奏自体はとても良いと思うが、やっている音楽は、ヨーロッパ調というかフュージョンというか、ビートが速すぎるか遅すぎるかのどちらかで、メロディー性のない曲ばかりだった。こういう曲が、彼女の好きな曲であり彼女の音楽性なのだろうなと思った。まあそれはそれでよろしかろうと思うほかない。ただ宮川純君のピアノは、当方と音楽性が一致しているように思った。ピアノは、伴奏にも回れる楽器なので、どのような曲にも迎合でき、それでいて個性を発揮できるので、つぶしの利く楽器である。
2 森永理美トリオ & 西田弓(明治安田生命)
森永理美(P)、吉岡直樹(B)、野村陽三(D)、西田弓(V)
ざっと60人くらいの入りだったかな。
演奏曲
I'll close my eyes
マイ・シェアリー・アムールとか
イズント・イット・ロマンティック?
〜ラバー??
イグザクトリー・ライク・ユー
星に願いを
ザッツ・オール??
1曲目は、ボーカルなしでトリオ演奏。I'll close my eyesは、とてもいい曲。森永理美ちゃんのCDにも収録されている曲だが、今日のは、また別のアレンジになっていた。CD収録のほうのI'll close my eyesは、アドリブ部分はいいとして、テーマ部分を、理美ちゃんにもう少し気張って抑揚をつけて演奏してもらいたいと思った。理美ちゃんは、基本、さらっと演奏するタイプで、それは出しゃばらない穏やかな性格が反映しているのだと思うが、やはり気張るところは気張ってもらわないと平板になってしまう。この曲のテーマ部分は、当方かなり好きで、帰りの電車の中で脳内リフレインすると共に口ずさんでいた。事ほど左様に好きな曲であるからこそ、もう少し強く弾いてほしいのだ。
森永理美ちゃんは、以前と比べ、ふっくら・ポッチャリした感じだ。吉岡直樹君は、相変わらず相好を崩したときの笑顔が素晴らしい。普段仏頂面をしていても相好を崩すときの笑顔が素晴らしいのは、血液型のB型に多く見られるが、彼ももしかしてB型か。
2曲目から西田弓ちゃんが登場して、気さくな感じのトークで進められた。初めてお目にかかるが、当方の見立てでは、奥村チヨ、麻生祐未系のお顔立ちだから、美形というべきだろう。お召し物は、ラジニーシのサニヤシンの正装とも言えるマルーン・ローブにそっくりな袖なしのゆったりとしたワンピースに、これまたラジニーシのサニヤシンが首に掛けるマラと呼ばれる数珠の首飾りに似たネックレス。普通にハスキーな声で、オーソドックスで明るい感じの歌い方、普通に上手い。綺麗なお顔を拝見しながら聴くには、まあいいかなといった曲ばかりだったけどね。それが彼女の音楽性なのだろう。でも、もっと本格的なジャズが聴きたいのよ。
3 中村好江ニューオーリンズ(岡崎信用金庫 中央支店(3F))
中村好江(Tp)、古川奈都子(P&V)、福永幸治(Ts)、海付豊(Cl)、木村純士(D)、大久保健一(B)、石原由理(Tb)
110人くらいの入りか。ちなみに当方、中村好江さんのグループは、去年も一昨年も聴いている。中村好江さんの今日の出で立ちは、白のパンタロン・スラックスと白のインナーに白の薄手の上っ張り、髪は去年と同じくボッサボサにしたカツラ(たぶん)。
演奏曲
アフター・ユーヴ・ゴーン(「君去りし後」とでも訳すのかな)
ロイヤル・ガーデン・ブルース(去年も演奏された曲)
ショミンゴ??とか
カーニバルズ・イン・ターン??とか
誰も知らない私の悩み(去年も演奏された曲)
カレドニア
そもそも、ニューオリンズ・ジャズだのディキシーランド・ジャズだのは、嫌いじゃないけれど、当方のようなモダンジャズ派には、少し眩しすぎる音楽ではある。しかし、中村好江さんも言うように、内に哀愁を秘めているとも思われる底抜けの明るさは、決して悪いものではない。
ロイヤル・ガーデン・ブルースやカーニバルズ・イン・ターン??というラテン調の曲などの4管アンサンブルは、かなりの感動ものだった。当方、基本的にオーケストラがあまり好きではないので、4管の合奏ともなると、ちょっとうるさいと感じるのだが、彼らのアンサンブルは、あまりに見事なので、ただただ感動するほかなかった。ソロ(個人技)も全員ノリがよく上手かった。多少自分の好きなジャズのジャンルのスイート・スポットを外れているとしても聴く価値のあるグループである。
4 大野俊三カルテット & 伊藤大輔(岡崎信用金庫 本店(2F))
大野俊三(Tp)、竹下清志(P)、北川弘幸(B)、猿渡康幸(D)、伊藤大輔(V)
170人くらいの入り。会場が広いということもあるが、みなさん、流石わかってらっしゃる。もっとも、女性の伊藤大輔ファンも少なからず居るだろうから、その分の人数は少し差し引いて考えておかなければならない。
〜〜モーニング?? (フランク・シナトラがよく歌っていたとか)
明るい表通りで
サマータイム
2曲ほど曲名を聞き取れなかった
バイバイ・ブラックバード
(アンコール)
スマイル
最初の2曲は、大野俊三さん抜きでの演奏。伊藤大輔君は、ソフトな声で悪くないし、しゃべりもそこそこ上手いので進行役(MC)としても言い方悪いが重宝である。ボーカルが生き抜く上で大切なことである。伊藤大輔君の歌う「On the sunny side of the street」を聴いて、ビリーホリデイが歌っている同曲とは随分違うなあと思った。別の曲みたいな気すらした。もっとも、ビリーホリデイが歌う曲の中でも、当方この曲が一番好きと言ってもいいほどなので、もちろんビリーホリデイの歌唱のほうが好きは好きだが、むしろ今日の伊藤大輔君の歌唱のほうが恐らくオーソドックスなものだろうと思った。ビリーホリデイは、かなりクセのある歌い方をするからねえ。
サマータイムからは、大野俊三さんが加わり、その後伊藤大輔君が2曲ほど抜けたりして、演奏が進行した。大野俊三さんは、変音器を付けたり外したりしたが、どちらの音色も素晴らしく、知らない曲でも全部良く聴こえた。音色・技巧ともに素晴らしいので、帰りにCDを購入し、大野俊三さんにサインしてもらった。まだ聴いてないが、後日車に乗ったときに聴く予定。パソコンやCDラジカセで聴くのはもったいないので、それなりに音がいい車のステレオで聴くつもり。サイン入りのCDジャケットの画像は、後日追加で掲載する予定。
追記 2013/11/04
CDの画像を掲載する予定でしたが、やめました。このCDには、1曲も好きな曲がありませんでした。期待外れもいいところです。1回聴き流して、すぐにお払い箱です。衝動買いは慎むべきでした。
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