2013年05月19日

渡辺明君の本音とやる気

参考資料


「週刊スパ」の渡辺明君のインタビュー記事を立ち読みしてみました。

渡辺明君は、本音はコンピュータとやりたくないそうです。でも望まれればやらざるを得ないと思っているそうです。彼は、過去にボナンザと対戦して勝っていますが、今ではボナンザにせよその他上位ソフトにせよ、かなり強くなっているので、やりたくないというのが本音なのでしょう。

しかし、それでもやらざるを得ないと思っているというのは、卓見だと思います。

ニコニコ動画の電王戦のPVを見る限りは、森内さんは「私が出るのは反響が大きすぎる」と第三者みたいなことを言っているし、羽生さんは「とりあえず様子を見るということになると思う」とか言っています。その後、彼らが現在どのように思っているのかは知る由もありませんが、電王戦のPVを見る限りでは、やや消極的と取れなくもありません。もっとも、PVは編集されたものですから、前後の文脈が省略されていることを考慮しておかなければなりません。ちなみに、伊藤英紀さんの「負けても大丈夫ですから」という発言も、前後の文脈が端折られているので、より過激なものとなってしまったようですし。

一方、電王戦のPVには確か登場していなかった渡辺明さんは、「週刊スパ」誌上で「やりたくない」と率直に発言した上で、やってもいい、やらざるを得ないと思っています。但し、彼は今、タイトルを三つ保持しているので、それとの絡みもあるので一存では決められないことは付言していました。もっとも三冠保持を逃げ口上にするという了見では無さそうな口ぶりでした。

いずれにせよ、将棋界のトップ三羽烏の認識としては、「コンピュータ将棋のトップクラスは、もはや並のプロでは勝てないレベルまで到達しており、我々でも勝てるかどうかは何とも言えない」ということで一致しているように見えます。

ここで、二つの考え方があります。

例えば、スピードを競うのに、F1とマラソンを同等に比べる人は居ないでしょう。F1はF1、マラソンはマラソンであると。一方、佐川急便と飛脚の場合は、同等に比べて、佐川急便のほうが便利なので飛脚は淘汰されロゴマークとして車の片隅に描かれるだけとなりました。これは、一言で言えばスポーツとビジネスの違いです。コンピュータ将棋と人間による将棋はスポーツですから、F1とマラソンの関係に近いと言えるかもしれません。すなわち、コンピュータはコンピュータ、人間は人間という。

しかしながら、「じゃあ、それでいいじゃないか」とは行かないところが、今回の問題点です。F1とマラソンでは、あまりにスピードや耐久力に雲泥の差があるため、同じ舞台でスピードを競うのは馬鹿馬鹿しいように思われ、ルールや条件など戦う環境も全く違うように設定されています。でも、将棋はコンピュータと人間で現状それほど実力に差が無いので、基本同じルールや条件で言わば同じ土俵で戦うことができます。そうなると、コンピュータはコンピュータ、人間は人間というふうに別のものと考えることには、やや違和感があります。

コンピュータが全く弱くてアマ二段か初段程度の当方でも勝てる時代は、プロはプロ同士、コンピュータはコンピュータ同士で戦っていても、何の違和感もありませんでした。しかし、これだけプロとコンピュータの実力が拮抗してくると、同じルール、条件で戦えるのなら、勝負として面白いじゃないか、ということになります。そして、もし将来的に、コンピュータのほうが圧倒的に強いという時代が来れば、現在F1とマラソンが全く別の競技であると認識されているように、将来コンピュータ将棋と人間による将棋は、全く別の競技というふうに認識される時代が来るかもしれません。そのときは、将棋(人間カテゴリ)、将棋(コンピュータカテゴリ)と区別されることで、違和感無く人々に受け入れられるのかもしれません。

マラソン(F1マシンは参加できない)が人間の走力を示すスポーツとして発展してきたように、人間による将棋(コンピュータは参加できない)は人間の知力の一部を示すスポーツとして発展してきました。どちらも、人間の一部の能力(走力だったり一部の知力だったり)を示すゲームに過ぎませんから、ラドクリフや高橋尚子がF1マシンよりも遅くても誰も何も言わないように、森内さんや羽生さんや渡辺さんがコンピュータより弱くても誰も何も言わなくてもおかしくないわけです。

今は、コンピュータの将棋知能が人間の将棋知能を超えようとしている過渡期なのかもしれません。そうだとすると、かつて人間の走力を車のスピードがどんどん追い抜いていって、競争するのが馬鹿馬鹿しくなったように、今後、人間の将棋知能をコンピュータの将棋知能がどんどん追い抜いていって、コンピュータと戦うのが馬鹿馬鹿しくなる時代が来るのかもしれません。そうなれば、マラソンとF1が明確に区別されているように、将棋(人間カテゴリ)と将棋(コンピュータカテゴリ)は明確に区別されるでしょう。たまにコンピュータの角落ちくらいで交流戦をやるのも全く気分を害しない時代が来るかもしれません。

ただ、現代に生きる人々は、すぐには上記のように割り切って考えることは難しいかもしれません。将棋は、論理ゲーム、知能ゲームであり、人間の知能が機械に負けるなんて許せない、と考える人々も多いかもしれません。しかしながら、将棋は、極めて特殊なゲームです。プロ棋士は、計算能力や記憶力など様々な人間の一般的な能力を複合的に動員して将棋における強さを発揮しているとは言え、人間の知能そのもの全て、というわけではありません。所詮一つのゲームに過ぎません。知能を使った技術、思考技術に過ぎません。だから、機械が技術的に人間を超えても不思議は無いわけです。芸術的な要素のある技術は、人間の職人芸というのが存在価値を持ちますが、将棋は芸術ではなくスポーツですから、職人芸というのは基本あり得ません。勝つためのより合理的な技術が求められるだけです。

伊藤英紀さんが、名言「負けても大丈夫ですから」とおっしゃったのは、とどのつまり、そういうことだと思います。機械に負けることは、一見、将棋指しの沽券に関わるように見えるし、実際見方によっては沽券に関わるのも事実かもしれないが、素直な目で本質を見れば、コンピュータが人間よりも強くなろうとしている、あるいは人間より強くなったというだけのことだと。「あり得なーい」と言ったところで、あり得たんだから仕方ないと。生身の知能と人工知能が、将棋という極々限られた一つのゲームにおいて、拮抗してきたに過ぎないと。たまたま将棋という白黒はっきりするゲームにおいて、人工知能の発達の一部がセンセーショナルに報じられたに過ぎないと。

まあそうは言っても現実問題としては、プロ棋士や将棋連盟にとっては、当事者として複雑な心境であることは事実でしょう。プロ棋士は、「人間の中では将棋が強い人」と言われ、今までほどには尊敬されなくなるかもしれないし、「所詮、人間の中で強い人の意見に過ぎない」と将棋本も売れなくなるかもしれません。将棋ファンが減れば、スポンサーも減るでしょう。将棋連盟の経営にも影響します。

「コンピュータと戦ってはいけないよ」と大山康晴元将棋連盟会長は言っていたらしいです。戦う前に人間と機械の住み分けをせよと提言していたのが大山さんとも言えるでしょう。それはそれで先見の明と言えるでしょう。それに対して、サービス精神旺盛な米長邦雄前将棋連盟会長は、戦った上で住み分けをせよと提言しているとも言えるでしょう。「いずれ負け戦になるかもしれないが、同じルール、同じ条件のゲームであれば、一度はちゃんと勝負しなければ、世の人心は治まらないだろう。仮に人間がコンピュータに勝てないとしても、将棋というゲームの面白さを多くの人々に伝え、将棋文化を存続させるには、逃げることなくコンピュータと死闘を演じるほかない。」と悲壮な決意で、米長さんは自ら独りで第1回電王戦を戦い、第2回電王戦をセッティングしてガンに倒れ死んでいった。日本将棋連盟はこの米長前会長の遺志を継ぐことができるかどうか、執行部の広い視野と人間力が試されます。第3回電王戦は何が何でも開催されなければならない。それが世のニーズです。先延ばしすれば、一気に増えかけた将棋ファンも、風船が萎むように元の木阿弥となり、そして漸減していくでしょう。

「災い転じて福と為す」、草葉の陰で将棋界の将来を楽しみに見守る故米長邦雄会長の悲壮な決意を無駄にしてはなりません。



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    2014年11月23日 大王製紙エリエールレディスオープンで、横峯さくらが今期初優勝
    2015年03月08日 開幕戦 ダイキンオーキッドレディスでテレサ・ルーが優勝
    2015年03月15日 ヨコハマタイヤレディスで李知姫優勝
    2015年03月29日 アクサレディスで笠りつ子が優勝
    2015年05月19日 ほけんの窓口レディスでイ・ボミ優勝
    2015年05月31日 リゾートトラストレディスは、テレサルーの優勝、今期2勝目
    2015年06月21日 ニチレイレディスで申ジエが大会2連覇、今期ツアー2勝目
    2015年09月06日 ゴルフ5レディスは、イ・ボミが2週連続優勝で今期4勝目
    2015年11月15日 伊藤園レディスでイ・ボミ今期6勝目、史上初の2億円越えで賞金女王を決める 
    2015年11月29日 申ジエ、今期最終戦のリコーカップで6打差ぶっちぎりの優勝
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    2007年01月03日 矢野沙織 @スターアイズ
    2008年08月02日 リカード・ボサノバ(ザ・ギフト)祭り
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    2009年01月24日 矢野沙織ブログへの投稿文1
    2009年01月24日 矢野沙織ブログへの投稿文3
    2009年02月15日 矢野沙織 in 田原文化会館(2月14日)
    2009年10月07日 夏をあきらめて MAYA
    2010年01月12日 大西順子トリオ・ライブ
    2010年03月22日 矢野沙織 in 月見の里学遊館
    2010年04月11日 OTA "AHAHA" MASAFUMI AT SATIN DOLL OKAZAKI
    2010年04月14日 矢野沙織ブログへの投稿文12
    2010年04月16日 My YouTube 削除と追加 0016
    2010年05月16日 守屋純子ジャズ講座
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    2010年08月07日 寺久保エレナ at スターアイズ(名古屋・覚王山)
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    2010年08月29日 矢野沙織、結婚発表
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    2010年11月13日 吉岡直樹スペシャルユニット in 吉良(インテルサット)
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    2013年10月27日 秋吉敏子 ソロコンサート @セントルイス in リブラ(岡崎市図書館交流プラザ)
    2014年01月19日 ジャズ講座 前田憲男ジャズを語る 〜ジャズとアレンジの深い関係〜
    2014年02月03日 松本茜、浜崎航、Valentine Jazz Live vol.5 @リブラ スタジオ1
    2014年02月16日 Vanilla Mood (岡崎市図書館交流プラザ、リブラホール)
    2014年05月11日 那王美(vo)&堤智恵子(sax)カルテット @スターアイズ(覚王山)
    2014年06月01日 もうひとりの纐纈っちゃん、纐纈雅代ライブ @インテルサット in 西尾市
    2014年06月15日 堤智恵子ライブ @Swing (新栄)
    2014年06月22日 太田AHAHA雅文ライブ @くすりやさん in 名古屋市中川区
    2014年06月26日 アリス=紗良・オット、フランチェスコ・トリスターノ @コロネット(シビックセンター)
    2014年09月07日 ジャズ講座「ベーシスト稲葉国光が見た日本のトップジャズメンたち」 @リブラ
    2014年09月13日 菅沼直&今岡友美 セプテンバージャズナイト @シビックセンター交流広場
    2015年01月18日 佐藤允彦ジャズ講座・60年代のジャズを語る、弾く 〜ジャズがマグマだった時代〜
    2015年02月14日 松本茜、浜崎航、Valentine Jazz Live vol.6 @リブラ
    2015年02月28日 Hyclad Concert (リブラ/岡崎市図書館交流プラザ)
    2015年07月04日 リブラ七夕ジャズライブ 森谷ワカ(p,v) レコードコンサートとミニライブ
    2015年09月04日 セプテンバージャズナイト 菅沼直カルテット&今岡友美 @シビックセンター
    2015年09月14日 エマニュエル・パユ フルート公開レッスン @シビックセンター
    2015年12月24日 矢野沙織 Bubble Bubble Bebop Live Tour 2015 Second Round@スターアイズ
    2015年12月27日 山中千尋トリオ バースデイライブ2015 冬 @スターアイズ
    2015年12月31日 纐纈歩美 @スターアイズ
    2016年01月17日 「ジャズを語る」【第1回:雑食音楽=ジャズ】講師/佐藤允彦(ジャズピアニスト)
    2016年02月20日 片倉真由子、浜崎航、Valentine Jazz Live vol.7 @リブラ
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